交通事故示談の流れと期間は
逮捕時は早期の示談が重要
目次
Q 交通事故を起こしてしまいました。示談の流れを教えてください。
一口に交通犯罪といっても、加害者の悪質な運転で被害者が死亡したケース(危険運転致死罪など)から、軽微な道路交通法違反だけのような比較的軽いケースまで様々です。
刑事事件化するかどうかは、各事案によります。被害が大きく、また、
行為態様が悪質なケースが刑事事件化する傾向にあります。
逮捕・勾留されている場合には、早期の身柄釈放のため、
できる限り早くに示談交渉を行なう必要があります。被害者と示談が成立すれば、身柄が釈放される可能性が高くなるからです。
現在、逮捕・勾留されていない場合には、直接的な目的としては、不起訴、又は、正式裁判の回避(略式請求、つまり罰金で終わらせる)のために示談成立に努めることになります。
そして、逮捕・勾留されていない在宅事件の起訴事件では、比較的時間的な余裕があるため、より落ち着いて、
冷静に示談交渉をすることができます。
検察官も、示談交渉の経緯を参考にしながら起訴・不起訴を決めますので、1年前後示談交渉する期間がある場合もあります。
弁護士に依頼すれば、弁護士が検察官と対応しながら、示談交渉(任意保険の場合を除きます)、被害者対応等を行ないますので、刑事事件、民事事件の両方でできる限り良い結果を残すことができる場合もあります。
Q 交通事故での逮捕手続について教えてください。
交通事故の特殊性は、道路交通法の警察等への報告義務があることにより、警察官が、事件の発生を網羅的に、かつ、直ちに知ることができる場合が多いです。
したがって、逮捕される場合には、その場で現行犯逮捕が行われることが多いでしょう。その場で現行犯逮捕が行われない場合、
後で逮捕手続が起こるのは珍しいです。
また、被害者に怪我などがない道路交通法違反だけの事案(無免許運転、酒気帯び運転等)では、逃亡その他の特別の事情がある場合の他は、現行犯逮捕は行わないようことになっています(犯罪捜査規範219条)。
なお、道路交通法違反のうち、無免許運転、酒気帯び運転は、一時停止違反等と異なり、比較的軽微な犯罪とはいえず、
刑事事件になります(反則金制度の対象にはなりません)。
Q 示談交渉で自賠責保険は、どのような意味がある?
加害者側の示談交渉において、自賠責保険は賠償金額を一部支払ってくれます。
自賠責保険とは、交通事故の被害者救済のために、基本的な対人賠償を確保するための強制加入の保険です。「基本的な対人賠償」ということで、実際に発生した損害賠償金額が全て支払われるわけではなく、限度額があります。
傷害の損害については、治療関係費、休業損害、慰謝料等を全て含んで、限度額は120万円(被害者1人あたり)です。後遺障害が発生した場合については、一番重い等級で限度額は4000万円(被害者1人あたり)です。死亡の損害については、限度額は3000万円(被害者1人あたり)です。
誤解されないようにしたいのは、
限度額があるという意味です。
死亡事故の場合、仮に裁判所で6000万円の損害賠償請求が認められても、自賠責保険から支払われる金額は最大限3000万円ということです。また、場合により、自賠責から支払われる金額が3000万円に届かないケースもあります(裁判所とは逸失利益、死亡慰謝料等の算定基準が異なります)。
これは、自賠責保険があくまで
基本的な対人賠償しか行わないからです(個人的には、「基本的な」というにはやや足りない金額だと思いますが)。
自賠責保険の限度額以上の損害額は、加害者の財産から支払われますが、加害者に資力がない場合には支払いができず、被害者に酷な結果となります。そのため、加害者のためのみならず、被害者のためにも任意保険に加入する必要性があります。
Q 示談交渉で任意保険は、どのような意味がある?
任意保険は、通常、賠償金額を
全額支払ってくれます。
任意保険とは、自賠責保険以外の自動車保険を言います。自賠責保険では、対人賠償(ケガ、後遺症、死亡等)では限度額があり、対物賠償(車両の物の損害)では支払いがされません。
そこで、自賠責保険の限度額等を上回った賠償金額の支払いリスクをなくすために任意保険に加入します。任意保険では、
対人賠償の金額が無制限となっているのが一般的です。
Q 民事事件の示談の流れは(任意保険加入のケース)?
主に加害者側の民事事件の示談の流れになります。任意保険に加入している場合には、
事故後すぐに保険会社に連絡しましょう。そして、保険会社に対し、どのような対応をすればよいかをお聞きになってください。なお、注意点としては、保険会社を通さずに被害者と示談をしないことです。
任意保険に加入している場合、通常、いわゆる「示談交渉サービス」がついています。示談交渉サービスとは、保険会社が被害者と賠償金額を取り決めることをいいます。
このため、示談については、
保険会社任せで大丈夫です。任意保険に加入して毎月の保険料を納めてきたという行為が、加害者の労力に尽きます。示談交渉の代わりに、被害者に対して、謝罪等に努めてください。
Q 示談交渉サービスは、どのようなものですか?
「示談交渉サービス」と言うと、保険会社が加害者のために何か頑張ってくれているようにうつりますが、必ずしもそうではありません。
確かに、加害者にとっては、示談の労力が減る点、保険金が下りないリスクが減る点等でメリットはあります。
しかし、示談で決まった金額は、結局、保険会社が支払います(加害者は支払いません)。示談金額については保険会社が一番の利害関係者であるため、保険会社のために保険会社自身が示談を行うということです。
そして、保険会社が被害者に提示する金額は
裁判基準よりも低いことがほとんどです。さらには、保険会社の不誠実な対応により、被害者が適正に受領できるはずの金額から大きく離れた金額しかもらえないこともあります。
そのため、被害者は、保険会社だけでなく、加害者に対してまで怒りを持つこともあります。このような点からも、前述のように、加害者が、被害者に対して
謝罪を行なうことは重要です。
Q 民事事件の示談の流れは(自賠責保険のみ加入のケース)?
任意保険に加入していない自賠責保険だけの場合、
被害者と直接示談交渉することになります。ご自身で対応する必要があること、自賠責保険の利用、及び、他の補償制度との関係で複雑になります。
自賠責保険だけの場合、被害者に対し、加害者の自賠責保険に被害者請求してもらった方がよいでしょう。この被害者請求により、自賠責保険が、被害者に対し、損害金の一部を支払ってくれます。
被害者請求を勧める理由ですが、加害者が、自賠責保険を利用する場合(加害者請求)には、まず、被害者に対して実際に金銭を支払う必要があるからです。支払い後でないと、自賠責保険は保険金を支払ってくれません(しかも全額を支払ってくれる訳ではありません)。しかし、後遺症が発生しているような場合に、加害者が何十万円から何百万円の金額を立て替え払いするのは大変だからです。
また、自賠責保険では、損害保険料率機構の調査事務所が、損害額を調査します。そのため、被害者請求がなされれば、調査事務所の資料・結果を示談の参考にすることができるからです。
調査事務所は、たとえば、事故の発生状況、事故とケガの因果関係、入通院費、後遺障害の等級認定について公正かつ中立に調査するようです。
なお、示談金から控除する給付(労災保険等)がありますので、その関係にも注意して示談する必要があります。また、過失割合によって大きく賠償金額が変わります。
専門的知識がない一般の方では、対応は困難なケースが多いと思います。弁護士に相談・依頼されるのをお勧めします。弁護士にご依頼されることで、当該個別具体的な事案のもとで、適切な手続と適正な賠償金額で示談できることが多くあります。
Q 刑事処分に向けた示談の流れは?
示談の流れは基本的に上記と同じです。ですが、刑事事件化したことで、加害者側が積極的に動く必要があります。まずは、被害者に対して、
謝罪に努めてください。
任意保険に加入している場合の加害者の対応ですが、保険会社が被害者に対して不適切な対応をしている場合には保険会社に対して苦情を申し立てても良いと考えます。
保険会社の不適切な対応で、保険会社の顧客が刑事処分等の不利益を被るのであれば、保険会社の提供するサービスの信用問題となると考えられるからです。
任意保険に加入していない(自賠責保険のみ)の場合、適正な金額の示談成立と刑事事件への対応のために、
できる限り早く、弁護士に相談・依頼することをお勧めします。
前述のとおり、自賠責保険だけの場合、示談は複雑になります。
自賠責保険の利用、労災等の給付の控除、過失割合、損害額の算定等は複雑ですので、弁護士に依頼すればその対応面でも金額の算定面でも安心した示談が可能となります。
Q 交通事故の示談で弁護士を付けるメリットは?
例えば、保険会社の締結する示談書には、宥恕文言(加害者を許すという意味)がないケースがほとんどです。有利な刑事処分のためには、嘆願書などを別途被害者に作成してもらう必要があります。
弁護士に依頼されれば、弁護士が、ご依頼者様と一緒に謝罪に向かうこともでき、嘆願書などをもらうことも場合によって可能です。
また、加入している保険会社との協議(示談成立の見込みの聴取、保険会社の不適切な対応方法への苦情申し立て等)なども、より円滑に行くことがあります。
また、弁護士は刑事事件への対応も尽力します。起訴等の判断にあたっては、示談成立の有無が大きいですが、示談は、通常後遺症が確定した段階でなければ行うことはできません(後で問題を起こすことがあります)。
そのような場合には、検察官に起訴・不起訴の判断を待つよう交渉し、又は、判断を待ってもらえない場合には、検察官の判断時までにできる限りの適正な被害賠償ができるよう、証拠関係等を見てアドバイス等いたします。刑事裁判中の対応においても、同様に弁護士が対応することができます。
代表弁護士紹介
カスタマーレビュー
迅速な弁護活動のおかげで、示談成立。適切な会社対応で、今まで勤務していた会社に戻れた。
by 死亡事故を起こしてしまった方のご家族
★★★★★
■年■月上旬に息子が会社の帰宅中、自家用車を運転中に携帯電話にメールの着信があり、メールの内容を確認した際に前方確認を怠り、同方向へ進んでいた自転車に後方から追突してしまいました。自転車を運転された方は脳挫傷の怪我を負い、数時間後にお亡くなりになりました。
息子から事故の一報を受け、救急車の手配、警察への連絡を既に行ったことは確認できましたがそれ以降は何の音沙汰がありませんでした。息子は現行犯で逮捕され、最寄りの警察署に勾留されていました。
私共夫婦は、翌日に被害者のご家族へ謝罪することができましたが、今後、息子がどのような状況になるのか解りませんでしたので「アトム法律事務所」へ相談しました。
今回、息子の弁護を野根弁護士が引き受けて下さいました。早々に息子と接見して頂いたり、息子が勤務した会社の上司へ面会して下さったり、その報告を随時連絡して頂きました。野根弁護士は息子と何度か接見して頂いており、息子も精神的に落ち着くことができたと思います。また、息子と頻繁に面会することができない私共夫婦にとってはその報告がとても助かりました。
勾留期間の延長に対し、勾留延長決定に対する準抗告を行って頂き、息子は保釈できました。国選の弁護士では保釈請求の手続き等は自ら進んで行わないと聞いています。
■月中旬に公判が行われ、判決は量刑に執行猶予が付くことになりました。息子は現在、今まで勤務させて頂いた会社で就業しています。被害者ご家族への償いの気持ちを忘れずに息子が早く自立し、今後の生活を営むことを見守りたいと思っています。
本当に野根弁護士はじめアトム法律事務所のスタッフの皆様へ感謝いたします。
様々な状況で難航した示談交渉を粘り強くまとめてくれたので、普通の生活に戻れた。
by 暴行事件を起こしてしまった方ご本人
★★★★★
自分は悪くない、でも法律上は暴行罪に該当。では相手は何故突き飛ばしておいて不問なのか?証拠もなければ私の主張を客観視できる目撃者もいない。罰金を払いたくないのではなく、不合理な状況に対処法がわからない時にアトムさんを知りました。
担当の野尻先生は、冷静かつ傾聴の姿勢で接して下さり、コミュニケーションを大事にして下さいました。様々な状況で難航した示談もまとめて頂き、普通の生活に戻れました。
おかれている状況を客観的に判断し、より良い状況に導いて頂いたと深く感謝しています。有難うございました。
弁護士先生が接見に来てくれた時は地獄に仏と思った。釈放、示談、不起訴、社会復帰のすべてを実現
by 痴漢事件を起こしてしまった方ご本人
★★★★★
酩酊したまま警察署で事情聴取され一旦自宅待機させられたときにアトム法律事務所24時間受付の方に刑事弁護について相談させて頂きました。
そして約2時間後の朝7時、逮捕・拘留され、約5時間におよぶ事情聴取、全く時が進まない留置所の生活が始まりました。もう人生終わりだ…。と思った夜の8時30分、永田先生に接見して頂きました。(地獄で仏)
「検察に訴えて拘留を阻止…。不起訴になるよう示談し、告訴を取り下げて…。一刻も早く社会復帰ができるよう…。」信じられないような言葉の数々、しかしそれらをすべて迅速に実現して頂きました。
今、こうしてこれまでどおりの社会生活を送れるのは、アトム法律事務所および永田先生のおかげです。心底から自身の過ちを反省し、日々自分の言動に細心の注意を払って生活して参ります。
本当にありがとうございました。
処罰感情の強い被害者に対して、粘り強い交渉で示談成立。被害届は出されず、事件化せずに無事解決。
by 盗撮事件を起こしてしまった方ご本人
★★★★★
被害者の処罰感情がとても強く、事件化は避けられないと思っていました。
2ヶ月の期間の末、示談が成立し、被害届も出されることもなく終わり、とても感謝しております。
これからは、家族のため一生懸命働いて、償っていきたいと思います。
刑事事件に強い弁護士が、遠方の被害者との迅速な示談交渉で前科がつかなかった。会社対応も安心。
by 強制わいせつ事件を起こしてしまった方のご本人
★★★★★
この度は本当にありがとうございました。野崎先生には本当に感謝しています。1週間後に警察署に来るように言われ、とても不安で何か相談できないかとインターネットで見たのがアトム法律事務所でした。福岡にも事務所があり、刑事事件に強く、職場などへの対応も考慮していることから、かなり安心感がありました。
警察署に行き、逮捕され、これから長い取調べの日々が続くかと苦痛でしたが、野崎先生が被害者様との示談を急いで下さり、また警察署と事務所も遠いのにすぐに来て下さり、想像以上に早く出てくることができました。遠方の被害者様のところにもすぐに行ってくれて本当に助かりました。アドバイスもとても参考になりました。取調べの時もしっかり守ることができました。本当にありがとうございました。
弁護士先生の「本当に助けてあげたい」という熱意・人間味に感動。丁寧に説明・対応してくれた。
by 強姦未遂事件を起こしてしまった方のご家族
★★★★★
突然の息子の逮捕の一報を受け、パソコンから様々な弁護士事務所を検索・調査した結果「刑事事件に強い!」「24時間受付」から翌朝電話しました。
私としても勿論すべてが初めてのことで何をしていいのか全く分からないのを、1つ1つ丁寧に説明・対応して下さいました。
特に驚いたと言いますか、感動したのは、先生方の「本当に助けてあげたい」という熱意・人間味です。
お蔭様で息子は示談成立、不起訴となりました。
先生方は息子の将来、希望、夢、光すべてを不可能な領域から全力で与えて下さいました。親共々感謝という一言ではとても終わらせられない、とても大きな感情を持ち続けていくと思います。
本当にありがとうございました。
粘り強い示談交渉で困難と思われた執行猶予付き判決を獲得。保釈中の生活面も適切に助言してくれた。
by 詐欺事件を起こしてしまった方のご家族
★★★★★
息子の突然の逮捕、勾留と何も解からず不安な毎日の中、野根先生には常に親身になり対応して頂き、息子も私も大変感謝致しております。難しいと思われていた執行猶予付き判決も頂き、被害者の方々への示談交渉や、保釈中での生活面等を適切に助言をして下さいました。
今は息子も仕事に従事し懸命に前を向き頑張っております。日々平凡な家族での生活に感謝し、これからも過ごして行きたいと思います。
野根先生を始め、アトム法律事務所の方々のご健康とご活躍を心よりお祈り申し上げます。
野根先生、有難うございました。
今の状況や今後の処遇について丁寧に説明してくれたおかげで慌てずに対応できた。会社にも残れた。
by 窃盗未遂事件を起こしてしまった方ご本人
★★★★★