婦女暴行強姦 示談の流れと期間は
起訴前の示談が極めて重要
Q 強姦事件を起こしてしまいました。示談の流れを教えてください。
強姦罪は法定刑が3年以上20年以下の懲役刑と重い犯罪です(刑法177条前段)。
強姦事件では、被害届が提出されて刑事事件化すると、逮捕→勾留→起訴と刑事手続きが進んでいくケースが多いです。また、被害者との示談が成立しない場合、たとえ初犯であっても実刑判決が下される可能性が高くなっています。したがって、強姦事件では、特に早期の段階で示談を成立させることが重要となってきます。
以下では、①~⑥の各刑事手続き段階で示談が成立した場合の流れを説明します。
①の「被害者の判断」の段階では、被害者がまだ警察に被害届を提出していないため、未だ刑事事件化していない段階です。この段階で相手方との示談が成立すれば、被害届は提出されず、事件化されません。
②の「警察官の判断の段階1」では被害届が提出されて、警察が加害者を逮捕するか否かを判断する段階です。強姦罪は親告罪です(刑法180条)。親告罪とは、告訴がなければ公訴を提起することができない犯罪をいいます。そのため、被害者が告訴しなければ、起訴されず、前科がつくこともありません。
したがって、(ⅰ)被害届しか提出されていない場合の弁護活動は、告訴状を提出しないよう被害者との間で示談の成立を目指します。(ⅱ)告訴状が提出された場合は、告訴を取消すよう被害者との間で示談を成立させる弁護方針をとります。
被害者が告訴を取消した場合、もう一度告訴をすることはできなくなります(刑訴法237条2項)。(ⅰ)、(ⅱ)いずれの場合も親告罪の要件である告訴がないため、加害者は起訴されず、前科がつくこともありません。
次に、③~⑤の段階(③警察官の判断2、④検察官の判断1、⑤検察官の判断2)について説明します。
告訴は、検察官が起訴する前まで取消すことができます(刑訴法237条1項)。逮捕後、起訴される前の③~⑤の段階であっても、被害者との間で示談を成立させて告訴を取消すことができれば、起訴されず、前科がつくことはありません。
また、強姦事件は、通常、勾留延長されることが多く、逮捕から最大23日間を留置所で過ごすことになります。そのため、示談が成立して、勾留満期前までに告訴の取消が得られれば、その段階ですぐに釈放されます。
一方、検察官の起訴までに告訴の取消を得られなかった場合、公判請求される可能性があります。
最後の⑥の「裁判所の判断」の段階においても、被害者との間で示談が成立すれば量刑判断で有利になり、執行猶予がつく可能性があります。弊所で取り扱った強姦事件(未遂)でも、担当弁護士の粘り強い交渉の結果、裁判中に「実刑判決までは望まない」という内容を盛り込んだ示談が成立して、執行猶予を獲得したケースがあります。
Q 強姦事件での示談の流れについて具体例に教えてください。
10月1日の午後3時頃、20代男性Aは、部屋に遊びに来ていた友人V(20代女性)の身体を服の上から触った。Vは激しく抵抗したが、Aは「女性は、強引な男性に魅かれる。」と一方的に考えて、Vを押さえ込んで性行為をした。翌日、Aから「Vがこんなひどいことをする人だとは知らなかった。強姦で被害届の提出を考えている。」とのメールが送られてきた。
たとえば、この事例の刑事手続きの流れは次のようになります。
Aは、Vに対して、謝罪等をすることによって、被害届を出さないよう説得しようと試みた。しかし、Aの携帯は、着信拒否設定にされていて、Vとは事件後連絡が取れなかった。
↓
Aは、10月5日に、被害届および告訴状を警察に提出した。
↓
Aは、10月6日に、警察に逮捕され、警察署で取調べを受けた。Aは、性行為の際にVと合意があったと主張して犯行を否認した。警察官は、Aに逃亡のおそれがあるとして逮捕手続きは継続された。
↓
10月8日に、警察は、Aを検察官に送致した。検察官は、裁判官に勾留請求をしたところ、10日間の勾留が認められた。
↓
Aの父親は、10月9日、Aが逮捕・勾留されたことを心配し、弁護士事務所に相談に行った。弁護士に依頼することが決まり、担当弁護士は、すぐにAが留置されている警察署へ接見に行った。接見の結果、「強姦を認めてVと示談交渉し、告訴の取下げ」を目指すことになった。
↓
担当弁護士が、Vに連絡を取ったところ、Vは示談に応じることに消極的だった。担当弁護士は被害者Vの意向を聞いたり、Aの反省した様子を伝えて、粘り強い示談交渉を続けた。(勾留期限満期を過ぎて検察官に起訴されると、告訴取消はできなくなり、初犯でも実刑判決が下されるおそれがあるため)
↓
担当弁護士の粘り強い交渉の結果、10月15日に、Vとの間で告訴取消の同意を含む示談が成立した。すぐに担当弁護士は、検察官に対し、示談書の写しとVの告訴取消書を提出した。その日のうちに、Aは不起訴処分となり、釈放されて自宅に帰ることができた。
《解説》前に述べたとおり、強姦罪は重大な犯罪で法定刑も重くなっています。起訴された場合には、初犯でも実刑判決が下される可能性が高いのです。
告訴の取消が認められるのは、検察官が起訴する前までです。勾留の延長の場合でも、逮捕から起訴・不起訴の決定まで最大23日(特定犯罪を除く)しかありません。この短期間に、被害者と示談を成立させて告訴取消の結果を得るためには、なるべく早い段階で弁護士に依頼した方がよいでしょう。
※強姦罪は親告罪であり、犯罪の被害者は当然告訴することができます(刑訴法230条)。
また、被害者の法定代理人も告訴をすることができます(刑訴法231条1項)。たとえば、強姦の被害者が未成年であった場合、被害者の親権者である両親も告訴することができます。
代表弁護士紹介
カスタマーレビュー
迅速な弁護活動のおかげで、示談成立。適切な会社対応で、今まで勤務していた会社に戻れた。
by 死亡事故を起こしてしまった方のご家族
★★★★★
■年■月上旬に息子が会社の帰宅中、自家用車を運転中に携帯電話にメールの着信があり、メールの内容を確認した際に前方確認を怠り、同方向へ進んでいた自転車に後方から追突してしまいました。自転車を運転された方は脳挫傷の怪我を負い、数時間後にお亡くなりになりました。
息子から事故の一報を受け、救急車の手配、警察への連絡を既に行ったことは確認できましたがそれ以降は何の音沙汰がありませんでした。息子は現行犯で逮捕され、最寄りの警察署に勾留されていました。
私共夫婦は、翌日に被害者のご家族へ謝罪することができましたが、今後、息子がどのような状況になるのか解りませんでしたので「アトム法律事務所」へ相談しました。
今回、息子の弁護を野根弁護士が引き受けて下さいました。早々に息子と接見して頂いたり、息子が勤務した会社の上司へ面会して下さったり、その報告を随時連絡して頂きました。野根弁護士は息子と何度か接見して頂いており、息子も精神的に落ち着くことができたと思います。また、息子と頻繁に面会することができない私共夫婦にとってはその報告がとても助かりました。
勾留期間の延長に対し、勾留延長決定に対する準抗告を行って頂き、息子は保釈できました。国選の弁護士では保釈請求の手続き等は自ら進んで行わないと聞いています。
■月中旬に公判が行われ、判決は量刑に執行猶予が付くことになりました。息子は現在、今まで勤務させて頂いた会社で就業しています。被害者ご家族への償いの気持ちを忘れずに息子が早く自立し、今後の生活を営むことを見守りたいと思っています。
本当に野根弁護士はじめアトム法律事務所のスタッフの皆様へ感謝いたします。
様々な状況で難航した示談交渉を粘り強くまとめてくれたので、普通の生活に戻れた。
by 暴行事件を起こしてしまった方ご本人
★★★★★
自分は悪くない、でも法律上は暴行罪に該当。では相手は何故突き飛ばしておいて不問なのか?証拠もなければ私の主張を客観視できる目撃者もいない。罰金を払いたくないのではなく、不合理な状況に対処法がわからない時にアトムさんを知りました。
担当の野尻先生は、冷静かつ傾聴の姿勢で接して下さり、コミュニケーションを大事にして下さいました。様々な状況で難航した示談もまとめて頂き、普通の生活に戻れました。
おかれている状況を客観的に判断し、より良い状況に導いて頂いたと深く感謝しています。有難うございました。
弁護士先生が接見に来てくれた時は地獄に仏と思った。釈放、示談、不起訴、社会復帰のすべてを実現
by 痴漢事件を起こしてしまった方ご本人
★★★★★
酩酊したまま警察署で事情聴取され一旦自宅待機させられたときにアトム法律事務所24時間受付の方に刑事弁護について相談させて頂きました。
そして約2時間後の朝7時、逮捕・拘留され、約5時間におよぶ事情聴取、全く時が進まない留置所の生活が始まりました。もう人生終わりだ…。と思った夜の8時30分、永田先生に接見して頂きました。(地獄で仏)
「検察に訴えて拘留を阻止…。不起訴になるよう示談し、告訴を取り下げて…。一刻も早く社会復帰ができるよう…。」信じられないような言葉の数々、しかしそれらをすべて迅速に実現して頂きました。
今、こうしてこれまでどおりの社会生活を送れるのは、アトム法律事務所および永田先生のおかげです。心底から自身の過ちを反省し、日々自分の言動に細心の注意を払って生活して参ります。
本当にありがとうございました。
処罰感情の強い被害者に対して、粘り強い交渉で示談成立。被害届は出されず、事件化せずに無事解決。
by 盗撮事件を起こしてしまった方ご本人
★★★★★
被害者の処罰感情がとても強く、事件化は避けられないと思っていました。
2ヶ月の期間の末、示談が成立し、被害届も出されることもなく終わり、とても感謝しております。
これからは、家族のため一生懸命働いて、償っていきたいと思います。
刑事事件に強い弁護士が、遠方の被害者との迅速な示談交渉で前科がつかなかった。会社対応も安心。
by 強制わいせつ事件を起こしてしまった方のご本人
★★★★★
この度は本当にありがとうございました。野崎先生には本当に感謝しています。1週間後に警察署に来るように言われ、とても不安で何か相談できないかとインターネットで見たのがアトム法律事務所でした。福岡にも事務所があり、刑事事件に強く、職場などへの対応も考慮していることから、かなり安心感がありました。
警察署に行き、逮捕され、これから長い取調べの日々が続くかと苦痛でしたが、野崎先生が被害者様との示談を急いで下さり、また警察署と事務所も遠いのにすぐに来て下さり、想像以上に早く出てくることができました。遠方の被害者様のところにもすぐに行ってくれて本当に助かりました。アドバイスもとても参考になりました。取調べの時もしっかり守ることができました。本当にありがとうございました。
弁護士先生の「本当に助けてあげたい」という熱意・人間味に感動。丁寧に説明・対応してくれた。
by 強姦未遂事件を起こしてしまった方のご家族
★★★★★
突然の息子の逮捕の一報を受け、パソコンから様々な弁護士事務所を検索・調査した結果「刑事事件に強い!」「24時間受付」から翌朝電話しました。
私としても勿論すべてが初めてのことで何をしていいのか全く分からないのを、1つ1つ丁寧に説明・対応して下さいました。
特に驚いたと言いますか、感動したのは、先生方の「本当に助けてあげたい」という熱意・人間味です。
お蔭様で息子は示談成立、不起訴となりました。
先生方は息子の将来、希望、夢、光すべてを不可能な領域から全力で与えて下さいました。親共々感謝という一言ではとても終わらせられない、とても大きな感情を持ち続けていくと思います。
本当にありがとうございました。
粘り強い示談交渉で困難と思われた執行猶予付き判決を獲得。保釈中の生活面も適切に助言してくれた。
by 詐欺事件を起こしてしまった方のご家族
★★★★★
息子の突然の逮捕、勾留と何も解からず不安な毎日の中、野根先生には常に親身になり対応して頂き、息子も私も大変感謝致しております。難しいと思われていた執行猶予付き判決も頂き、被害者の方々への示談交渉や、保釈中での生活面等を適切に助言をして下さいました。
今は息子も仕事に従事し懸命に前を向き頑張っております。日々平凡な家族での生活に感謝し、これからも過ごして行きたいと思います。
野根先生を始め、アトム法律事務所の方々のご健康とご活躍を心よりお祈り申し上げます。
野根先生、有難うございました。
今の状況や今後の処遇について丁寧に説明してくれたおかげで慌てずに対応できた。会社にも残れた。
by 窃盗未遂事件を起こしてしまった方ご本人
★★★★★