示談書示談書の被害届取り下げ条項とは
被害届の取下げで釈放・不起訴になる
目次
- 1 被害届の取下げで釈放・不起訴になる
- 2 Q 示談書にどのような条項を設けると加害者は有利になりますか?
- 3 Q 示談書に宥恕条項が入ってないと意味がありませんか?
- 4 Q 示談書に宥恕条項が入っていると必ず不起訴になりますか?
- 5 Q 被害届を取り下げてもらう旨を示談書に書いた場合はどうですか?
- 6 Q 被害届取り下げと告訴取消は同じではないのですか?違いは何ですか?
- 7 Q 示談金を払ったのに被害届を取り下げてもらえません。どうなりますか?
- 8 Q 示談金を払ったのに刑事告訴を取り消してもらえません。どうなりますか?
- 9 Q 告訴取消と示談について注意すべきことは?
- 10 Q 告訴されている場合、どのような形で示談したら良いですか?
- 11 Q 告訴されていない場合、示談して告訴放棄してもらっても意味ないですか?
Q 示談書にどのような条項を設けると加害者は有利になりますか?
「被害者が加害者を許す(宥恕)」という条項を設けると、加害者は有利になります。
示談は、基本的には、私法上(市民相互の権利関係、民事)の紛争を当事者の合意で解決するものです。簡単に言えば、解決金を合意して手打ちにするというものです。
民事だけを考えれば、それで良いのですが、刑事事件への影響を考える必要があります。国家が犯罪行為に対して刑罰を適用するか否かという刑事事件の問題は、当事者同士が紛争解決に同意するか否かという民事事件の問題とは、基本的には別物だからです。
刑事事件への影響を考えた示談では、被害者の許し(宥恕)が重要になってきます。そのため、示談ができたときに、被害者が同意してくれるのであれば、上記の宥恕条項を示談書に入れます。これにより、被害者が許したことを書面に残すことができ、加害者にとって有利に働く証拠になります。
なお、当然ですが、被害者が本心で加害者を許してくれたことが大切です。たとえば、被害者に示談内容をよく理解させずにハンコを押させたり、無理に示談させたりするのはやめましょう。このような事情は、後に検察官に判明します。
Q 示談書に宥恕条項が入ってないと意味がありませんか?
「被害者の許し」に関する条項が入っている示談書と比べると効果は小さいですが、入っていないとしても効果があります。示談できたことにより、刑罰が軽くなるケース、または当事者間で紛争が解決したことが重視され、刑罰が科されないケースもあります。
Q 示談書に宥恕条項が入っていると必ず不起訴になりますか?
宥恕付き示談の成立により、窃盗罪、詐欺罪などの財産犯ではかなり高い確率で不起訴になります。痴漢や盗撮などの性犯罪も、初犯であれば宥恕付き示談により不起訴になることがほとんどです。
もっとも、必ず不起訴になるわけではないので注意が必要です。宥恕付き示談は大きな量刑事情ですが、それだけで起訴・不起訴が決まるわけではありません。被害回復の実現がなされたのか、加害者の反省の程度、犯罪の悪質性、前科の有無など様々なことが起訴・不起訴に影響します。
Q 被害届を取り下げてもらう旨を示談書に書いた場合はどうですか?
被害届の取下げを示談書に書いた場合も、起訴・不起訴に判断に大きな影響を与えます。被害届の取下げにより、被害者の処罰感情が緩和されたと判断されるからです。
通常、示談書に被害者が加害者を許すこと(宥恕条項)を書く場合は、あわせて被害者が被害届を取り下げることを書きます。
Q 被害届取り下げと告訴取消は同じではないのですか?違いは何ですか?
被害届取り下げと告訴取消は違います。被害届と告訴の法的効力が異なるからです。
被害届とは、被害者が、警察・検察等に対し、犯罪にあった事実を申告することをいいます。
一方、告訴とは、被害者や親などの告訴権者が、警察・検察等に対し、犯罪にあった事実を申告し、かつ、犯人の処罰を求めることをいいます。
どちらも、捜査開始のきっかけになります。また、被害者は、被害届の提出、告訴のどちらも行うことができます。
被害届と告訴の一番の違いは、器物損壊罪や強姦罪などの親告罪において、告訴がなければ起訴できないという点です。ですので、親告罪では、起訴前に告訴取消を含む示談ができれば、必ず不起訴になります。又、逮捕・勾留中であれば、直ちに釈放されます。
なお、告訴の取消しは起訴後にはできません。起訴後の示談で、告訴取消しを合意されても、法的な効力はなくて、刑事裁判は続くのでご注意ください。
Q 示談金を払ったのに被害届を取り下げてもらえません。どうなりますか?
示談書に被害届を取り下げると書いてあるのに、示談金支払い後、被害者が被害届を取り下げないとしても、基本的に、示談の効果に違いはありません。被害者が、被害届取下げには合意しており、示談書だけでも、被害者の処罰感情が緩和されたことが分かるからです。
検察官に対し、示談書や示談金の支払い・受け取りを証する領収書などを示して、事情を説明してください。
Q 示談金を払ったのに刑事告訴を取り消してもらえません。どうなりますか?
刑事告訴の取り消しの場合は、被害届取り下げの場合とは話が変わってきます。示談書に告訴を取り消すことが書かれている場合、被害者の処罰感情が緩和されたことはわかります。しかし、親告罪のケースでは、必ず不起訴になるという保証を得ることができなくなるからです。
このようなことを避けるために、告訴取消し書については、示談金を支払った時に、被害者から預かって、加害者側で提出する形にした方が良いです。
Q 告訴取消と示談について注意すべきことは?
告訴取消とは、告訴を撤回することを言います。告訴取消をすると、二度と告訴を行なうことはできません。
親告罪の告訴取消の示談に関して、注意すべきことが3つあります。
1つ目ですが、告訴取消は、検察官の公訴の提起(起訴)があるときまででなければ行うことができません(刑事訴訟法237条1項)。
たとえば、強姦(ごうかん)事件で、加害者が、被害者との間で示談を成立させ、被害者に告訴取消書を提出してもらったとします。しかし、示談前に、既に検察官が起訴していれば、告訴取消の効果はありません。その結果、刑事裁判は開始し、加害者には懲役刑などの刑事処分が下ることになります。
強姦罪などの親告罪の示談交渉にあたっては、起訴される前に告訴取消が必要という点は注意が必要となります。
2つ目ですが、告訴権者が複数いて、複数名が告訴している場合には、告訴している全員から告訴取消を得る必要があるということです。
告訴権者は、被害者が未成年者の場合、被害者本人と法定代理人です(刑事訴訟法230条、231条1項)。法定代理人は、通常、親権者である両親(父母)となりますが、父又は母のどちらかだけでも有効に告訴を行なうことができます(最判昭和34年2月6日)。
そして、被害者本人(未成年者)と法定代理人(両親等)の両方が告訴を行なっている場合には、両方から告訴を取消してもらう必要があります。どちらか一方から告訴取消があったからと言って、連動して、全ての告訴が取り消される訳ではありません。
3つ目ですが、事前の告訴取消、つまり、告訴権の放棄は刑事訴訟法上認められないということです(名古屋高判昭和28年10月7日)。
たとえば、加害者が、被害者本人と示談交渉し、被害者本人と「告訴をしない」という示談が成立したとします。
しかし、後日、被害者本人が告訴を行なった場合、告訴は有効となり、検察官から起訴される可能性は残ります。
Q 告訴されている場合、どのような形で示談したら良いですか?
第1に、時期的な点ですが、検察官の起訴時までに、告訴取消を含む示談を成立させる必要があります。
第2に、告訴している全ての方から告訴取消を得る必要があります。そのためには、まず告訴している方が誰かを確認することが必要となります。
第3に、被害者本人が未成年者の場合ですが、示談交渉は、被害者本人ではなく、被害者の法定代理人である親権者と行う必要があります(民法824条)。
示談交渉は、損害賠償という財産権に関する話が中心となりますので、主に民事事件の面があるからです。
ただし、注意点があります。告訴は、刑事訴訟法上の話ですので、法定代理という民事の話と異なってくる点もあります。
つまり、被害者本人が未成年者の場合であっても、被害者本人が告訴していれば、刑事訴訟法の解釈上、原則として、被害者本人から告訴取消を得る必要があります。
損害賠償という財産権に関する示談交渉は、法定代理人(両親等)と行いますので、告訴取消に限ってズレてきます。
もっとも、被害者本人(未成年者)が告訴しているケースで、加害者が、別途、被害者本人と告訴取消について直接交渉するのは被害者の両親も嫌がるでしょう。
そこで、このようなケースでは、被害者の両親に、被害者本人から、別途、告訴取消の委任(特別の授権)を受けてもらったうえで、被害者の両親と告訴取消について示談交渉すれば良いでしょう。
その際には、たとえば、法定代理人が、被害者本人から告訴取消の委任を受けているか確認するため、告訴取消の委任状を見せてもらうなどの方法をとる必要があります。後日の証拠のため、コピーをもらうと良いでしょう。
契約書の書き方などは工夫もできますので、弁護士に相談・依頼して、被害者側も対応しやすい、一番良い形式(後で問題が残らない)の告訴取消、示談成立で事件を終了させることを勧めます。
Q 告訴されていない場合、示談して告訴放棄してもらっても意味ないですか?
上記Q&Aでお伝えしたとおり、事前の告訴放棄に法的な効力はありません。しかし、告訴放棄の合意しておくことで、事実上、後日告訴されることを防ぐ効果はあります。
被害者が未成年者の場合など告訴権者が複数いる場合には、できれば、告訴権者全員と合意しておくと良いでしょう。
なお、「告訴しない」との合意をしたにもかかわらず、被害者が告訴する場合としては、後日、加害者側に不誠実な行為があったケースなどが考えられます(加害者が示談金を支払わなかった場合など)。そのため、「告訴しない」との合意をした後にも、当然ながら、誠実に対応する必要があります。
また、加害者が誠実に対応しているにもかかわらず、約束を破られて告訴されるケースもない訳ではありません。当該事案にもよりますが、「告訴しない」との合意がなされ、示談金も支払われているのであれば、検察官が起訴猶予にする可能性は高くなります。
処罰感情が不明確であり、訴権の濫用に近いものがあること、被害回復がなされている事実等から、検察官も、起訴事案相当だと判断しづらいと考えられるからです。
示談は民事事件の話であり、告訴取消は刑事事件の話であり、告訴取消に関する示談は法律的にも難しいところがあります。
弁護士に相談・依頼することで、適切な示談金の算定だけでなく、後に心配が残るような手続上の不備をなくすことがかなりの確率で可能となります。
特に、弊所では、刑事事件を中心に扱ってきていますので、刑事弁護の専門性を活かし、当該事案のもとで依頼様の最大の利益を実現できるよう尽力いたします。
代表弁護士紹介
カスタマーレビュー
迅速な弁護活動のおかげで、示談成立。適切な会社対応で、今まで勤務していた会社に戻れた。
by 死亡事故を起こしてしまった方のご家族
★★★★★
■年■月上旬に息子が会社の帰宅中、自家用車を運転中に携帯電話にメールの着信があり、メールの内容を確認した際に前方確認を怠り、同方向へ進んでいた自転車に後方から追突してしまいました。自転車を運転された方は脳挫傷の怪我を負い、数時間後にお亡くなりになりました。
息子から事故の一報を受け、救急車の手配、警察への連絡を既に行ったことは確認できましたがそれ以降は何の音沙汰がありませんでした。息子は現行犯で逮捕され、最寄りの警察署に勾留されていました。
私共夫婦は、翌日に被害者のご家族へ謝罪することができましたが、今後、息子がどのような状況になるのか解りませんでしたので「アトム法律事務所」へ相談しました。
今回、息子の弁護を野根弁護士が引き受けて下さいました。早々に息子と接見して頂いたり、息子が勤務した会社の上司へ面会して下さったり、その報告を随時連絡して頂きました。野根弁護士は息子と何度か接見して頂いており、息子も精神的に落ち着くことができたと思います。また、息子と頻繁に面会することができない私共夫婦にとってはその報告がとても助かりました。
勾留期間の延長に対し、勾留延長決定に対する準抗告を行って頂き、息子は保釈できました。国選の弁護士では保釈請求の手続き等は自ら進んで行わないと聞いています。
■月中旬に公判が行われ、判決は量刑に執行猶予が付くことになりました。息子は現在、今まで勤務させて頂いた会社で就業しています。被害者ご家族への償いの気持ちを忘れずに息子が早く自立し、今後の生活を営むことを見守りたいと思っています。
本当に野根弁護士はじめアトム法律事務所のスタッフの皆様へ感謝いたします。
様々な状況で難航した示談交渉を粘り強くまとめてくれたので、普通の生活に戻れた。
by 暴行事件を起こしてしまった方ご本人
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自分は悪くない、でも法律上は暴行罪に該当。では相手は何故突き飛ばしておいて不問なのか?証拠もなければ私の主張を客観視できる目撃者もいない。罰金を払いたくないのではなく、不合理な状況に対処法がわからない時にアトムさんを知りました。
担当の野尻先生は、冷静かつ傾聴の姿勢で接して下さり、コミュニケーションを大事にして下さいました。様々な状況で難航した示談もまとめて頂き、普通の生活に戻れました。
おかれている状況を客観的に判断し、より良い状況に導いて頂いたと深く感謝しています。有難うございました。
弁護士先生が接見に来てくれた時は地獄に仏と思った。釈放、示談、不起訴、社会復帰のすべてを実現
by 痴漢事件を起こしてしまった方ご本人
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酩酊したまま警察署で事情聴取され一旦自宅待機させられたときにアトム法律事務所24時間受付の方に刑事弁護について相談させて頂きました。
そして約2時間後の朝7時、逮捕・拘留され、約5時間におよぶ事情聴取、全く時が進まない留置所の生活が始まりました。もう人生終わりだ…。と思った夜の8時30分、永田先生に接見して頂きました。(地獄で仏)
「検察に訴えて拘留を阻止…。不起訴になるよう示談し、告訴を取り下げて…。一刻も早く社会復帰ができるよう…。」信じられないような言葉の数々、しかしそれらをすべて迅速に実現して頂きました。
今、こうしてこれまでどおりの社会生活を送れるのは、アトム法律事務所および永田先生のおかげです。心底から自身の過ちを反省し、日々自分の言動に細心の注意を払って生活して参ります。
本当にありがとうございました。
処罰感情の強い被害者に対して、粘り強い交渉で示談成立。被害届は出されず、事件化せずに無事解決。
by 盗撮事件を起こしてしまった方ご本人
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被害者の処罰感情がとても強く、事件化は避けられないと思っていました。
2ヶ月の期間の末、示談が成立し、被害届も出されることもなく終わり、とても感謝しております。
これからは、家族のため一生懸命働いて、償っていきたいと思います。
刑事事件に強い弁護士が、遠方の被害者との迅速な示談交渉で前科がつかなかった。会社対応も安心。
by 強制わいせつ事件を起こしてしまった方のご本人
★★★★★
この度は本当にありがとうございました。野崎先生には本当に感謝しています。1週間後に警察署に来るように言われ、とても不安で何か相談できないかとインターネットで見たのがアトム法律事務所でした。福岡にも事務所があり、刑事事件に強く、職場などへの対応も考慮していることから、かなり安心感がありました。
警察署に行き、逮捕され、これから長い取調べの日々が続くかと苦痛でしたが、野崎先生が被害者様との示談を急いで下さり、また警察署と事務所も遠いのにすぐに来て下さり、想像以上に早く出てくることができました。遠方の被害者様のところにもすぐに行ってくれて本当に助かりました。アドバイスもとても参考になりました。取調べの時もしっかり守ることができました。本当にありがとうございました。
弁護士先生の「本当に助けてあげたい」という熱意・人間味に感動。丁寧に説明・対応してくれた。
by 強姦未遂事件を起こしてしまった方のご家族
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突然の息子の逮捕の一報を受け、パソコンから様々な弁護士事務所を検索・調査した結果「刑事事件に強い!」「24時間受付」から翌朝電話しました。
私としても勿論すべてが初めてのことで何をしていいのか全く分からないのを、1つ1つ丁寧に説明・対応して下さいました。
特に驚いたと言いますか、感動したのは、先生方の「本当に助けてあげたい」という熱意・人間味です。
お蔭様で息子は示談成立、不起訴となりました。
先生方は息子の将来、希望、夢、光すべてを不可能な領域から全力で与えて下さいました。親共々感謝という一言ではとても終わらせられない、とても大きな感情を持ち続けていくと思います。
本当にありがとうございました。
粘り強い示談交渉で困難と思われた執行猶予付き判決を獲得。保釈中の生活面も適切に助言してくれた。
by 詐欺事件を起こしてしまった方のご家族
★★★★★
息子の突然の逮捕、勾留と何も解からず不安な毎日の中、野根先生には常に親身になり対応して頂き、息子も私も大変感謝致しております。難しいと思われていた執行猶予付き判決も頂き、被害者の方々への示談交渉や、保釈中での生活面等を適切に助言をして下さいました。
今は息子も仕事に従事し懸命に前を向き頑張っております。日々平凡な家族での生活に感謝し、これからも過ごして行きたいと思います。
野根先生を始め、アトム法律事務所の方々のご健康とご活躍を心よりお祈り申し上げます。
野根先生、有難うございました。
今の状況や今後の処遇について丁寧に説明してくれたおかげで慌てずに対応できた。会社にも残れた。
by 窃盗未遂事件を起こしてしまった方ご本人
★★★★★