刑事事件示談成立で釈放や不起訴になるか
示談成立は早期釈放につながる
目次
Q 夫が逮捕されましたが、早く釈放してもらう方法は(警察への対処)?
警察は、将来の刑事裁判のための証拠を集めますが、その証拠収集を実効的に行うために逮捕が行われることがあります。逮捕しなければ、被疑者による罪証隠滅や逃亡が行われる恐れがある場合があるからです。
そこで、特に事実関係に争いがなければ、素直に事実関係を述べてください。事実関係に争いがないことが警察官に分かれば、罪証隠滅や逃亡の恐れがないと判断され、逮捕からの早期釈放につながることがあります。
また、警察は、将来、検察官が起訴しないような事件は逮捕しません。さらに、そのような事件で逮捕した場合にはすぐに釈放します。そこで、早期に、被害者との間で示談が成立させ、被害者の許し(宥恕)を得てください。
示談の成立や被害者の許しがある場合、将来、検察官が起訴しない可能性が高くなるため、早期の釈放につながります。したがって、早期に弁護士に依頼し、被害者と示談交渉することが重要になります。
特に、器物損壊罪や名誉棄損罪などの親告罪であれば、被害者と示談し、告訴取消をしてもらえれば、すぐに釈放されます。告訴取消になれば、将来、必ず不起訴になるからです。
犯罪白書によれば、平成25年において、検察庁が処理した刑法犯の全事件数は35万6594件で、うち警察・検察で逮捕された件数は12万7222件です。逮捕される率(身柄率)は、約35.7パーセントとなっています。
また、警察等による逮捕の後に、検察官への送致前に釈放された件数は8103件もあります。逮捕された件数の約6.4パーセントとパーセンテージとしては多くはありませんが、件数は多いこと、及び、逮捕時から弁護士が付くケースがかなり少ないことを考えると、検察官への送致前に釈放されることに努力されるのは重要です。
Q 夫が逮捕されましたが、早く釈放してもらう方法は(検察への対処)?
検察官への対処としては、勾留を阻止し、また、不起訴(起訴猶予)に持ち込むための方法があります。なお、検察官への対処が問題となるのは、通常、事件が検察官へ送致された後になります。
勾留を阻止するためには、罪証隠滅や逃亡のおそれがないと検察官に判断される必要があります。そこで、逮捕と同じように、事実関係に争いがなければ、素直に事実関係を述べてください。
また、検察官は、将来起訴しないような犯罪については勾留しないのが通常です。
検察官は送致された事件をすべて起訴する訳ではありません。犯罪白書によると、平成25年において、検察庁の起訴猶予率は65.2パーセントになっています(刑法犯、特別刑法犯を合わせた数字です)。
前述したように、示談の成立と被害者の許し(宥恕)は、検察官の起訴・不起訴の判断に大きな影響を与えます。
したがって、早期に、示談の成立と被害者の許しを得ることで、不起訴だけでなく、勾留請求、又は勾留延長の請求をさせないことが重要です。
また、検察官から勾留請求がされた場合にも、示談成立、被害者からの許し(宥恕)の事情があれば、裁判官が勾留却下決定、又は、弁護士による準抗告の認容をする可能性が高くなります。勾留却下、準抗告の認容がなされれば、早期に釈放されます。
Q 不起訴とはどういう意味ですか?裁判にならないということですか?
不起訴とは、検察官が、刑事手続による訴追を行なわない処理を言います。たとえば、器物損壊罪などの親告罪で告訴がない(又は告訴取消)の場合のように、訴訟条件を欠くケースでは不起訴となります。
また、犯罪とならないか、証拠が不十分な場合などにも不起訴となります。さらに、訴訟条件が整い、犯罪を立証できる場合でも、刑事裁判による犯罪者のレッテルを不用意に貼るべきではないと検察官が判断するケース(情状面での判断)では、起訴猶予として不起訴となります。
Q 不起訴と起訴猶予は同じですか?違いを教えてください。
先ほどのご質問で回答したとおり、不起訴とは、検察官が、刑事手続による訴追を行なわない処理を言います。起訴猶予は、不起訴に含まれます。
訴訟条件が整い、犯罪を立証できる場合でも、刑事裁判による犯罪者のレッテルを不用意に貼るべきではないということで、起訴猶予になることが多くあります。
起訴猶予とするかどうかは、検察官が、犯人の性格、年齢と境遇、犯罪の軽重、情状、犯罪後の情況により判断します(刑事訴訟法248条)。
なお、「情状」や「犯罪後の情況」としては、次のような諸事情があります。
まず、犯行の動機・目的、手段・方法・態様、共犯関係、被害の軽重などです。また、前科前歴の有無、生活状態、被害弁償・謝罪・示談の有無、被害者側の事情、社会事情なども考慮されます。
Q 示談成立で不起訴になる確率を教えてください。
示談成立で不起訴になる確率を示すのは困難です。
先ほどのご質問に回答したように、起訴・不起訴の判断は、示談の成立だけで決まるものではないからです。
担当弁護士がおられるのであれば、示談成立で不起訴になる見通しを聞かれるのが一番性格だと思います。
ですが、示談成立で不起訴になる確率は高いということは確かに言えます。
犯罪白書によると、検察庁が最終処理した事件において、平成25年の起訴猶予率は65.2パーセントです(刑法犯と特別刑法犯を含む全体の数字です)。
起訴猶予になれば、前科は付きません。他方、起訴された後に、無罪判決で前科が付かないようにすることはなかなか難しいです。
起訴猶予率が65.2パーセントもあり、無罪判決の確率が1パーセントもない状況を考えれば、起訴までに一番力を尽くすべきと言っても過言ではありません。
このためには、できる限り早い段階(逮捕段階、又はその前)で、弁護士に依頼されるのが重要になってきます。また、器物損壊罪や名誉棄損罪などの親告罪については、示談によって告訴取消しをしてもらえば、100パーセント起訴を免れます。
弊所では、365日24時間体制で、専門スタッフが電話を受け付けております。そして、電話を受け付けてから、迅速に弁護士の相談を入れております。是非、お気軽にお電話ください。
Q 起訴されてしまった後は、示談をする意味がないですか?
起訴後の示談であっても、次のような大きなメリットがあります。
まず、示談の成立は、裁判所の量刑判断に大きな影響を与えます。具体的には、執行猶予がつき、刑務所に行かなくて済む確率が高くなります。
また、仮に実刑の場合であっても、刑期が短くなる確率が高くなります。
執行猶予がつけば、前科が末梢される期間が早くなります。
次に、保釈が認められる可能性が高くなります。裁判官は、保釈の判断において、罪証隠滅と逃亡の恐れを重視します。実刑が見込まれる場合には、特に逃亡の恐れの点から保釈は消極的になりますが、示談成立により執行猶予の見込みが出てくるので保釈を認めてくれる可能性が高くなるのです。
最後に、示談の成立は、何よりも被害者との関係改善につながります。被害者に対して申し訳ないお気持ちがあられると思いますが、双方のために、被害弁償、示談の成立に努めることは大事なことです。
代表弁護士紹介
カスタマーレビュー
迅速な弁護活動のおかげで、示談成立。適切な会社対応で、今まで勤務していた会社に戻れた。
by 死亡事故を起こしてしまった方のご家族
★★★★★
■年■月上旬に息子が会社の帰宅中、自家用車を運転中に携帯電話にメールの着信があり、メールの内容を確認した際に前方確認を怠り、同方向へ進んでいた自転車に後方から追突してしまいました。自転車を運転された方は脳挫傷の怪我を負い、数時間後にお亡くなりになりました。
息子から事故の一報を受け、救急車の手配、警察への連絡を既に行ったことは確認できましたがそれ以降は何の音沙汰がありませんでした。息子は現行犯で逮捕され、最寄りの警察署に勾留されていました。
私共夫婦は、翌日に被害者のご家族へ謝罪することができましたが、今後、息子がどのような状況になるのか解りませんでしたので「アトム法律事務所」へ相談しました。
今回、息子の弁護を野根弁護士が引き受けて下さいました。早々に息子と接見して頂いたり、息子が勤務した会社の上司へ面会して下さったり、その報告を随時連絡して頂きました。野根弁護士は息子と何度か接見して頂いており、息子も精神的に落ち着くことができたと思います。また、息子と頻繁に面会することができない私共夫婦にとってはその報告がとても助かりました。
勾留期間の延長に対し、勾留延長決定に対する準抗告を行って頂き、息子は保釈できました。国選の弁護士では保釈請求の手続き等は自ら進んで行わないと聞いています。
■月中旬に公判が行われ、判決は量刑に執行猶予が付くことになりました。息子は現在、今まで勤務させて頂いた会社で就業しています。被害者ご家族への償いの気持ちを忘れずに息子が早く自立し、今後の生活を営むことを見守りたいと思っています。
本当に野根弁護士はじめアトム法律事務所のスタッフの皆様へ感謝いたします。
様々な状況で難航した示談交渉を粘り強くまとめてくれたので、普通の生活に戻れた。
by 暴行事件を起こしてしまった方ご本人
★★★★★
自分は悪くない、でも法律上は暴行罪に該当。では相手は何故突き飛ばしておいて不問なのか?証拠もなければ私の主張を客観視できる目撃者もいない。罰金を払いたくないのではなく、不合理な状況に対処法がわからない時にアトムさんを知りました。
担当の野尻先生は、冷静かつ傾聴の姿勢で接して下さり、コミュニケーションを大事にして下さいました。様々な状況で難航した示談もまとめて頂き、普通の生活に戻れました。
おかれている状況を客観的に判断し、より良い状況に導いて頂いたと深く感謝しています。有難うございました。
弁護士先生が接見に来てくれた時は地獄に仏と思った。釈放、示談、不起訴、社会復帰のすべてを実現
by 痴漢事件を起こしてしまった方ご本人
★★★★★
酩酊したまま警察署で事情聴取され一旦自宅待機させられたときにアトム法律事務所24時間受付の方に刑事弁護について相談させて頂きました。
そして約2時間後の朝7時、逮捕・拘留され、約5時間におよぶ事情聴取、全く時が進まない留置所の生活が始まりました。もう人生終わりだ…。と思った夜の8時30分、永田先生に接見して頂きました。(地獄で仏)
「検察に訴えて拘留を阻止…。不起訴になるよう示談し、告訴を取り下げて…。一刻も早く社会復帰ができるよう…。」信じられないような言葉の数々、しかしそれらをすべて迅速に実現して頂きました。
今、こうしてこれまでどおりの社会生活を送れるのは、アトム法律事務所および永田先生のおかげです。心底から自身の過ちを反省し、日々自分の言動に細心の注意を払って生活して参ります。
本当にありがとうございました。
処罰感情の強い被害者に対して、粘り強い交渉で示談成立。被害届は出されず、事件化せずに無事解決。
by 盗撮事件を起こしてしまった方ご本人
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被害者の処罰感情がとても強く、事件化は避けられないと思っていました。
2ヶ月の期間の末、示談が成立し、被害届も出されることもなく終わり、とても感謝しております。
これからは、家族のため一生懸命働いて、償っていきたいと思います。
刑事事件に強い弁護士が、遠方の被害者との迅速な示談交渉で前科がつかなかった。会社対応も安心。
by 強制わいせつ事件を起こしてしまった方のご本人
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この度は本当にありがとうございました。野崎先生には本当に感謝しています。1週間後に警察署に来るように言われ、とても不安で何か相談できないかとインターネットで見たのがアトム法律事務所でした。福岡にも事務所があり、刑事事件に強く、職場などへの対応も考慮していることから、かなり安心感がありました。
警察署に行き、逮捕され、これから長い取調べの日々が続くかと苦痛でしたが、野崎先生が被害者様との示談を急いで下さり、また警察署と事務所も遠いのにすぐに来て下さり、想像以上に早く出てくることができました。遠方の被害者様のところにもすぐに行ってくれて本当に助かりました。アドバイスもとても参考になりました。取調べの時もしっかり守ることができました。本当にありがとうございました。
弁護士先生の「本当に助けてあげたい」という熱意・人間味に感動。丁寧に説明・対応してくれた。
by 強姦未遂事件を起こしてしまった方のご家族
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突然の息子の逮捕の一報を受け、パソコンから様々な弁護士事務所を検索・調査した結果「刑事事件に強い!」「24時間受付」から翌朝電話しました。
私としても勿論すべてが初めてのことで何をしていいのか全く分からないのを、1つ1つ丁寧に説明・対応して下さいました。
特に驚いたと言いますか、感動したのは、先生方の「本当に助けてあげたい」という熱意・人間味です。
お蔭様で息子は示談成立、不起訴となりました。
先生方は息子の将来、希望、夢、光すべてを不可能な領域から全力で与えて下さいました。親共々感謝という一言ではとても終わらせられない、とても大きな感情を持ち続けていくと思います。
本当にありがとうございました。
粘り強い示談交渉で困難と思われた執行猶予付き判決を獲得。保釈中の生活面も適切に助言してくれた。
by 詐欺事件を起こしてしまった方のご家族
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息子の突然の逮捕、勾留と何も解からず不安な毎日の中、野根先生には常に親身になり対応して頂き、息子も私も大変感謝致しております。難しいと思われていた執行猶予付き判決も頂き、被害者の方々への示談交渉や、保釈中での生活面等を適切に助言をして下さいました。
今は息子も仕事に従事し懸命に前を向き頑張っております。日々平凡な家族での生活に感謝し、これからも過ごして行きたいと思います。
野根先生を始め、アトム法律事務所の方々のご健康とご活躍を心よりお祈り申し上げます。
野根先生、有難うございました。
今の状況や今後の処遇について丁寧に説明してくれたおかげで慌てずに対応できた。会社にも残れた。
by 窃盗未遂事件を起こしてしまった方ご本人
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